電気工事などの建設業では、土曜日も工事を行うことが多く、休日は日曜日だけという会社がしばしばあります。

しかし、週に1日だけしか休みがないと、十分に疲れを取ることもままならず、旅行に行く機会も減ります。「電気工事士は休みない! きつい!」という話もよく聞きます。

できるなら、電気工事士として働きつつ土日が休みの会社で働きたいと思うのは自然なことです。では、土日が休みの電気工事士の仕事はあるのでしょうか? あるとすればどのように探せばよいのでしょうか?

ここでは、そのような疑問に答えるために、まず「土日休みの求人を探すときの注意点」を説明します。そのあと、実際の求人例を示しつつ「土日休みで電気工事士として働ける業種」を紹介します。

土日休みの求人票表記の注意

転職先を探すときに、コネ採用や友人知人の紹介でない限り、ほとんどの人が求人票を見て転職を決めます。求人票には、転職を成功させるための情報が詰まっています

ただ、求人票における休日の記述の仕方は若干わかりにくいところがあります。これを十分に知っておかないと、転職しても後悔することになります。以下の解説を理解した上で、実際の求人を探しましょう。

求人票に記載される休日の表記には、「週休2日」「完全週休2日」などさまざまな記載があります。土日休みを希望するなら、これらの表記を正しく理解しておく必要があります。

例えば、「週休2日」と記載されていたら、どのような休日を期待するでしょうか? 実は、下図に示すカレンダーはどちらも週休2日を示しています。なお、休日は文字背景を薄い赤色で示しています。

この図のように、1ヶ月7休でも6休でも、求人票の記載は「週休2日」とされています。これは、1週間のうち2日休みの週が月に1週でもあれば「週休2日」と記載することができるからです。

土日休みを希望するなら、「週休2日」と記載している会社に転職したのでは満足できないことは予想できると思います。

実際の求人票の記載では、下図のように記載されています。この求人は、首都圏(東京・神奈川・埼玉など)で電気設備工事を施工しているホシテクノシステム株式会社の求人です。

この求人では、週休2日制としてあるので、上で説明した休日になります。ただ、詳細がわかりません。

ではどのように詳細を調べればよいでしょうか。それは、年間休日数を参考にすればよいです。祝日や盆正月GWの休日を考えずに、土曜日をどのように出勤したかで年間休日数がどうなるかを示したのが下記です。

  • 土曜日は月1日休み、日曜日は全て休み → 年間休日数64日
  • 土曜日は月1日出勤、日曜日は全て休み → 年間休日数92日

これに、祝日や盆正月GWが休みになる場合、おおよそ20日くらい加算されます。例えば、下図の株式会社ユニオンネットの求人では、年間休日数が105日と示されています。ユニオンネット社は、愛知、静岡で家庭向けの電気通信工事を主に行っている会社です。

求人票の記載から逆算すると、年間休日105日から盆正月GWの22日と祝日15日を引いて、概算で68日が土日の休みです。これから日曜日が全て休みだとすると、月に1日~2日が土曜日の休みであることがわかります。

実際は、盆正月GW・祝日と土日が重複することもあるので、土曜日休みは月に2日程度と考えられます。詳細は、応募前に確認すると良いです。

一方、「完全週休2日」と記載がある場合はどのように考えればよいのでしょうか。完全週休2日は、下図のような場合が考えられます。左が「完全週休2日(土日休み)」の場合、右が「完全週休2日」とだけある場合です。

左側の「完全週休2日(土日休み)」なら毎週土日休みで、あなたの希望するとおりだと思います。実際の求人票には、下図の協和電子株式会社の求人のように記載があります。協和電子社は、茨城県に本社を置き首都圏の電気工事を行っている会社です。

求人票には、「完全週休2日(かつ土日祝日)」と記載されているので、間違いなく土日休みです。

注意しないといけないのは、右側の「完全週休2日」とだけ記載がある場合です。上の図では、毎週日曜日と月曜日が休日で、これも完全週休2日です

また、下図左のように毎週日・水でも、下図右のように定休ではなくシフト制でも完全週休2日です。

 

シフト制の例だと、下図のセントラルリーシングシステム株式会社の求人が該当します。セントラルリーシングシステム社は、北海道の新千歳空港の設備管理(電気工事)を行う会社です。

求人票には、完全週休2日制と記載してあるものの、シフト制で土日が休みとは限りません。このような就業形態は、インフラを担う会社に多いです。私は鉄道会社に勤務していて、似たような勤務形態でした。

以上のように、土日休みの求人を探すときには、求人票の内容をよく吟味しましょう。また、不明な点があるときには、応募する前に確認をとっておくことが転職成功する秘訣です。

転職サイトを使って優れた電気工事士求人を探す

では実際に求人を探すときには、どのような方法で探すとあなたが希望する優れた求人を見つけることができるでしょうか。

試しに無料で配布されてある求人誌を見てみると、下の写真のような電気工事士募集の求人がありました。

この求人は、一般電気工事を行う会社の人材募集です。電気工事士は、歴史的に職人仕事であったため、日払いの求人が相当数あります

給料が日払いだと、月の収入は「出勤日数×日給」です。つまり、多く出勤すれば収入増になるため、土曜日も出勤したがる職人が多いです。さらに、会社もそれに合わせて休日を設定することが多いです。上の求人も、月25日出勤を想定している記載があります。

このような背景から、建設の現場でも週6日施工の予定を組むことが多いです。下の写真は、私の家の近くで行っていた電気工事を含む建築工事の作業予定表です。これを見ると、日曜日だけが休みなのがわかります。

一方、月給として月払いの働き方だと多く休んでも同じ給料なので、社員はできるだけ多くの休日を欲しがります。会社は無条件に休日を多く設定するわけにはいかないので、法的根拠がある週休2日(1週間に1日8時間×5日労働)を上限として設定されています。

つまり、月払いの求人が多く集まる求人媒体を使って転職活動したほうが、土日休みの転職を成功させやすくなります

転職を成功させた多くの人が利用している転職サイトでは、月払い月給の求人がほとんどで、休日について詳しく項目を設けて説明してあります。転職サイトを使うことで、土日休みかどうかを判断しやすくなり、転職失敗しにくくなります

土日休みの実際の求人例

では、実際に電気工事士を募集する土日休みの求人にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、求人の実例を示しつつ解説していきます。

まず電気工事士として働く場合は、一般電気工事やプラント電気工事を行っている電気工事会社・電設会社が選択肢になります。前章で紹介した協和電子株式会社は、一般向け・プラント向けどちらの電気工事も請け負っている会社です。

もう一社電気工事会社を紹介します。下図に示すのは、静岡県に本社のある夏目電気工業株式会社の求人です。休日・休暇の欄をみると完全週休2日制と謳われています。

ただし注意しないといけないのは、祝日がある週は土曜日出勤になるということです。盆正月GWは長期休暇を取りやすいということなので、それ以外の祝日(成人の日、海の日、体育の日など)がある月は土曜日出勤です。

完全週休2日であっても、夏目電気工業社のような会社カレンダーで出勤日が決められている例はあります。私の妻が勤めていた会社では、完全週休2日制で祝日は出勤日でした。

夏目電気工事会社のように祝日を休む代わりに土曜日出勤の会社の場合、土曜日を有給休暇取得奨励日としていることがあります。土曜日に出勤してきても作業がなく、わざわざ出勤するほど仕事がない場合があるからです。

私が勤めていた鉄道会社でも、会社カレンダーでは土曜日出勤日が年に2日程度ありました。ただ、電気設備保全の仕事は原則平日に行うので、土曜日は書類整理・作成などの仕事がある人以外は有給休暇を取得していました。

このような土曜日の働き方は会社によってさまざまなので、応募する前に確認しておくと良いです。

また、夏目電気工業社は静岡県のほか、富山県高岡市、岡山県水島市、山口県周南市など工業の集積地帯に事業所を設けています。下図の求人票を見ると、法人向けの電気工事が多いことがわかります。

いわゆる電気工事のほかに、防爆電気工事や計装工事など、製造業の工場に求められる技術があるため、大規模企業から安定して仕事を受注しやすい会社です。したがって、小さな工事を受注してくる会社より、休みを取りやすくなります。

以上のように、電気工事会社・電設会社の求人は、これらの求人に類似した求人を探していきます。

一般電気工事だけでなく製造業や設備保全職を選択肢に入れる

電気工事士資格は、建設業で電気工事をするために必要な資格です。しかし、電気工事の会社ばかりを探していたのでは選択肢が狭まります。

実は、電気工事会社だけでなく製造業や設備保全を行っている会社でも、電気工事士として活躍できることがあります

注意する点があるとするなら、電気工事会社より電気工事を施工する頻度が下がるということです。多少電気工事を施工する頻度が下がっても問題ないなら、このような製造業や設備保全をしている会社も選択肢に入れるとよいです。

製造業で電気工事士を募集している求人の例は、下図の西精工株式会社の求人が該当します。西精工社は、徳島県に拠点を置いてファインパーツ(精巧な微細部品)を製造している会社です。

この求人では、工場内の配電盤から電気機械までの配線を行うことが主な業務として記載されています。この求人で募集している土成工場では6.6kVで受電しているため、この業務には第1種電気工事士資格か、低圧部分なら認定電気工事従事者資格が必要です。

例えば、下の写真のような電動機へのケーブルの端末処理やつなぎ込みには電気工事士資格が必要です。

また、そのほかの電気設備のメンテナンスをすることが記載されています。外部の電気工事業者を入れずに、自社で電気技術者をまかなっている西精工社のような会社では、製造業であっても電気工事を行うことができます。

そして西精工社の休日は、下図のように「完全週休2日制」で、土曜・日曜が休みであることが謳われています。

製造業で工場の電気設備を担当するほか、公共設備の電気設備メンテナンスを行っている会社も電気工事士を募集しています。例えば、下図の株式会社アイフク・テックは三重県を中心に高速道路・一般道の電気設備保全を受注している会社です。

アイフク・テック社の休日は、下図のように「完全週休2日制(土・日)」と記載されています。

アイフク・テック社が施工しているのは、下の写真のような道路用電光掲示板などの道路を安全に便利に利用するための設備です。これらの設備を新設・取替・修理するのに電気工事士資格が必要になります。

また、こういった道路用設備は国土交通省やNEXCOなどが発注します。そして、国土交通省は国の「働き方改革」の一環として、下図のように週休1日制の業界慣習を改めて「週休2日制を工事発注の条件」にする取り組みを始めています。

引用 : 国土交通省関東地方整備局技術管理課 資料

このように、先行して公共工事から週休2日制を推し進めているところです。ゆくゆくは民間工事全てに浸透するとしても、まずは公共工事の受注が多い会社を選ぶと土日休みの働き方を叶えやすくなります

以上のように電気工事士として働く場合は、電気工事会社以外にも選択肢があるということを知っておくと良いです。これにより、土日休みの会社に転職しやすくなります。

休みが増えた分、年収が減ることはない

ここまで紹介した求人では、休みが増えた分だけ給料が減らないか心配になるのではないでしょうか。いくら休みが多いからと言って、その分年収が減ったのでは転職を踏みとどまるかもしれません。

しかし、心配する必要はありません。休みが増えた分、給料が減るということは考えにくいです。

例を示して検証してみましょう。先に、完全週休2日制として挙げた協和電子株式会社の年収は、下図の通り450万円~と示されています。

同様に、ここで紹介した求人の年収、休日制度、休日数についてまとめたものが下表です。

会社名 提示年収[万円] 休日制度 年間休日
協和電子(株) 450~ 完全週休2日 125日
(株)ホシテクノシステム 350~490
(求人票記載のモデル月給×14ヶ月で計算)
週休2日 120日も可能
(株)ユニオンネット 301~504 週休2日 105日
セントラルリーシングシステム(株) 300~500 完全週休2日
シフト制
120日
西精工(株) 480~550 完全週休2日 111日
夏目電気工業(株) 400~550 完全週休2日 112日
(株)アイフク・テック 300~450 完全週休2日 130日以上

この表から、休日数に関係なく、どの求人の年収も300~500万円くらいが提示されているのがわかります。

また、厚生労働省が公表している賃金構造基本統計調査によると、電気工の年収分布は下図のようになっています。

引用 : 令和元年賃金基本構造統計調査(厚生労働省)をグラフ化

この統計調査と比較すると、年収が300~500万円というのは電気工として高い年収であると言えます。

ただし、転職サイトを有効に使って、ここで説明したような情報収集を確実に行っていることが大切です。そうすれば、土日休みの会社に転職しても、給料面で大きく失敗しにくくなります。

まとめ

電気工事士として働くとき、土日休みの会社に転職を成功させる方法について解説してきました。

まず、知っておかなければならないのは、「週休2日」「完全週休2日」など求人票へどのように休日が示されているかということです。これを誤解したままだと、休日が少なく後悔することになります。全ての土日が休みなのは、「完全週休2日(土・日)」と表記がある求人票です

また、求人票の記載だけでは詳細が不明な場合があります。その場合は、応募する前に確認をすることを怠ってはいけません。

そして、土日休みの求人は、転職サイトに数多く募集されています。転職サイトを有効に使うとよいです。求人票の不明点の確認は、転職サイトを使っていれば転職エージェントを介して訊くこともできます。

電気工事士として働くには、電気工事会社・電設会社が選択肢になります。このときは、工場向けなど大規模企業から大きな工事案件を受注している会社を選ぶと良いです。

電気工事会社のほかには、製造業や電気設備保全の会社でも電気工事士を募集していることがあります。これらの業種の求人も横断的に探すことで、電気工事士として土日休みの働き方を叶えやすくなります。

また、求人媒体を正しく選択して情報収集を確実に行えば、休みが増えた分の年収が減ることも考えにくいです。このように戦略的に求人を探すことで、転職成功しやすくなります。

技術者が転職するとき、多くの人が転職サイトを利用します。これは、それだけ良い条件で転職できるからです。

企業への履歴書・職務経歴書の送付やアポ取り、年収交渉など、面倒な仕事は全て転職エージェントが代行してくれます。これらを自分だけで行うのは現実的ではないですが、転職エージェントであればプロがしてくれます。

しかし、転職サイトは「対象地域」「対象年齢」「得意な分野(技術全般、製造業の技術・工場など)」で違いがあります。転職を成功させるには、これらの特徴を理解した上で進めなければいけません。

以下では、それぞれの転職サイトについて詳述しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。