転職活動をしていると、会社指定の履歴書に志望動機を書いたり、面接で志望動機をきかれたりすることが多いです。

問われるとわかっているので、この会社を受けようとした瞬間から志望動機を考えだすものの、なかなかうまく整理できないことがあります。私も転職活動中は志望動機でさんざん悩みました。

ただ、電気系の求人へ転職するときはコツがあります。そうした電気系の職場に就職するときの志望動機の書き方を、順を追って解説します。

なぜ志望動機が書けないのか

志望動機が書けない理由は何でしょうか。自分の本音を考えるとそれが分かります。あなたがその会社を受けようと思った、本当の理由は何でしょうか

「給与が高い」「労働時間が短い「福利厚生がしっかりしている」など、これらの理由が一番最初に頭に思い浮かんだ人は、志望動機の書き方に迷っていると思います。

私も転職したときに、今の会社を選んだのは「家から近い」「給料が高い」が大きな理由です。もちろん仕事の内容はやってみたかった仕事ではあります。しかし、それよりも「家から近くて給料が高い」のは大切な条件でした。

面接の時に、「家から近い」というのは志望動機として言えましたが、「給料が高い」というのは言えませんでした。なんとか取り繕ったのを覚えています。

会社は志望動機を聞いて何を知りたいのか

それでは、面接する立場の会社が志望動機を聞いて、何を知りたいのか考えてみましょう。

実際に私を面接した人に聞いてみたところ、「絶対に聞かれるのがわかっている問いに対して、受験者がどういうふうに準備をしているか確認するため」だと言っていました。

また、ホームページや関連のネットニュースなど、会社と会社の業界について書かれていることはたくさんあります。それをどの程度まで調べ、調査してくるか情報収集能力を試すとも言っていました。

あとは一般論ですが、給与や勤務時間などの条件を志望動機にあげる人は、その条件が変わるとまた転職するのではないかという疑念を会社側に与えます。

その業界の景気の状況によって、給与や勤務時間が多少変化することは避けられません。条件を一番の志望動機にあげる人は、そのほか諸条件変化で、「他に条件の良い会社があれば簡単にまた転職するのではないか」という疑念を会社に与えてしまうのです。

以上をまとめると、会社が知りたい情報というのは次のようになります。

  • 受験者がどういうふうに準備をしてくるか
  • 受験者の情報収集能力はどのくらいか
  • 受験者は条件以外で会社のどの部分に魅力を感じているか

などということになります。

志望動機を答えるための対策

会社が聞きたいことがわかりましたので、履歴書や面接などで満足するような回答を作りましょう。

面接で質問者が「受験者がどのように準備をしてくるか知りたい」と考えているとき、質問者の前提には「受験者は準備をしてくるものだ」ということがあります。この前提がなければ質問しません。

つまり、準備をしてこない受験者は低い評価しか与えられません。まじめに準備をして、質問者の期待通りであれば、初めて評価の対象になります。

同様に、質問者が受験者の情報収集能力を試すのは、質問者の前提に「一定レベルの情報収集能力があるべきだ」というのがあります。その能力が、受験者に備わっているかどうか知りたいから質問するのです。

志望動機を通して、会社がWEB上に公開している情報や、会社パンプレットなどの情報を知っていることがわかれば、受験者が「WEB検索で知りたい情報にたどり着くことができる」「会社パンプレットを探すことができる」などの情報収集能力を持っていることがわかります。

また、質問者が「受験者が条件以外でどの部分に魅力を感じているか」を聞きたがるのは、「条件以外の部分を共有したい」からです。同じ職場で長い時間を共にすることになりますので、価値観を共有できていないと仕事をしづらいです。

給与や労働条件などは変わる可能性は高いですが、会社のビジョンや事業内容は頻繁に変わるものではありません。ビジョンや事業内容が魅力的だということを共有できていれば、長い期間互いに気持ちよく仕事ができるでしょう。

そのため質問者は、受験者に会社に対して同じような価値観を持っていてほしいのです。そう思えるから会社の魅力を聞きます。

これらの、質問者の期待に応えるように志望動機を作れば良いのです。

会社や業界の情報収集

履歴書や面接に向けてよい志望動機を作るには、まずは情報収集です。その会社にホームページがあるときは、ホームページを隅から隅まで読みましょう。

ホームページの情報は、その会社が世間に対して知っておいてほしい「アピールしたいポイント」を書いていますので、その情報に面接の時に触れると喜ばれます。

例えば、下図は電気興業株式会社のホームページの一部です。

企業情報の中に、「ご挨拶」「沿革」とあります。沿革を見ると、通信インフラの会社として発足したそうです。さらに、ご挨拶を見ると社長がそれに触れて、「より便利な生活環境の実現の一役を担ってきたものと自負して」と述べています。下図は、電気興業株式会社のホームページの「ご挨拶」の部分です。

通信インフラは社会インフラとして、24時間稼働しなければならない重要なものです。設備事故や不具合が起きたときは、夜を徹して復旧しなければなりません。また、台風でも大雪でも復旧のために仕事をします。

そこで、履歴書や面接での志望動機には、以下のように志望動機に盛り込むといいです。

  • 設備保全の経験があり、設備をダウンさせないこと、万が一設備がダウンしたときに迅速に復旧することの重要性は身に染みています。通信インフラを支える仕事でも、その経験が生かせると考えています。
  • 現職(前職)では、「製品の故障率を下げる」と「故障しても問題なく動き続ける」ことを、コストを抑えながら実現する仕事をしていました。使用者が便利だと思える通信設備であるには、ダウンは許されません。現職(前職)で磨いた技術力で、ダウンが許されない通信設備を製作して、利益を上げることに寄与できると考えています。

また、新聞やネットニュースで情報収集する方法もあります。読売朝日などの一般誌を読んでも良いのですが、業界紙というものがあります。電力業界だと電気新聞、情報通信業界だと電経新聞、建設業界だと日刊建設工業新聞や日刊建設通信新聞というものがあります。

業界紙の紙面は、職場で今働いている業界の新聞は目にすることがあるでしょう。しかし、例えば電力業界から通信業界に転職を考えているときのように、違う業界の情報収集に使うには、紙面は向きません

業界紙は月単位、年単位の購読しかできないので、コストが高すぎます。目的の業界紙のホームページには、記事の見出しと、記事の初めの部分が載せてありますので、これで十分です。下の図は、電気新聞と電経新聞のWEBサイトです。

一方で業界紙と違って、日刊工業新聞や日経新聞は、コンビニや書店でも手に入りやすいですし、図書館に行けば読むことができます。

広く知りたい場合には、日刊工業新聞や日経新聞の関係のありそうな箇所を集めるのでも良いでしょう。これらの新聞を図書館などで一週間分ぐらい目を通せば十分な情報が集まります。

下の写真は、図書館においてある日経新聞と日経産業新聞と日刊工業新聞です。

図書館の棚には1週間分置いてありました。司書に頼めば、さらに過去のものも読むことができます。

ネットニュースだともっと簡単です。検索サイトで、その会社についてキーワード検索するのも良いです。ただ、先ほどの新聞社のホームページに行ってキーワード検索した方が、より濃い情報を集めることができます。

しかし情報収集で注意しないといけないのは、会社のホームページと違って、新聞やネットニュースには会社にとって都合の悪い情報もあることです。例えば過去の不正や事故などの情報です。これらの情報は、会社側が積極的に改善をアピールしてない限りは、触れない方が無難です。

また転職サイトを利用しての申し込みをしている人は、転職エージェントから情報を聞くという方法もあります。転職エージェントは、他にも何人もの転職者を担当しているため、その転職者からの情報や、会社に対して転職者を売り込みに行ったときの感覚など、生の情報を聞けるのでおすすめです。

自分の気持ちの棚卸

次に自分がその会社のどこに魅力を感じたのか棚卸をしましょう。給与や労働条件は、もちろん出てくると思います。それ以外何があるでしょうか。

1番の動機が年収で、2番の動機が労働条件だったとして、3番目4番目の動機は何ですか?

「その会社に入ると技術的に自分が向上できると思った」「今まで培った技術で会社に対し、より大きな利益をもたらすことができると感じた」「地元に根ざしている企業なので、Uターンで戻ってきてふるさとに貢献できると思った」また色々出てくると思います。

小さなことでもよいので、たくさん挙げておいてください。

一つのことに集中してアピールする方法もありますが、2~3つの理由を組み合わせてアピールすることもできます。あとで再構成するときに選択肢が増えますので、ここではたくさん挙げてください。

情報のどこが自分の気持ちに訴えかけてきたか

今度は、自分が魅力と感じたのが、どの情報かを整理する作業です。

例えば、「地元に根差している」ところが魅力的なのは、「地元の大学と積極的に研究開発をしている」「地元の歴史ある祭りには必ず協賛し、祭りにも積極的に参加している」「本社をほかの都市に移さない」といった情報があるから、と整理します。

また、「会社に対し、より大きな利益をもたらすことができる」と感じたのは、「新しい分野(自分の得意な分野)に進出しようとしている」という情報があるから、と結びつけます。

私の志望動機で述べたのは、「家から近い」「技術的に向上できそう」ということの2点です。

事業所が1か所にしかありませんので、定年まで移動することがない会社です。生まれ育った地域の近くに住んで仕事をしたい、という思いでした。

また、今まで電気を使う側の立場で、使う側の設備を保守・建設してきたのですが、今度は電気を作る側の立場の仕事でした。学生時代に第1希望で入ったのが、前の会社(1社目)でした。ただ学生時代の第2希望が、転職した会社(2社目)と同じ業界の会社でした。

第1希望ですんなり決まってしまって、第2希望の分野で仕事をすることは、もう2度とないかなと諦めていたところに、この求人に出会って飛びついたのです。ここなら今まで実地で学ぶことのできなかった、電気を作る側の技術を学ぶことができるので、とても魅力的に映りました。

そのような理由があったので、「家から近い」「技術的に向上できそう」の2点を中心に、話を膨らませて志望動機を書いたのです。下図が、私が志望動機を考えて、実際に添削してもらった文章です。

志望動機を書き出してみましょう

志望動機を書くネタはそろいましたので、実際に書き出してみましょう。

紙一枚鉛筆一本でも構いませんし、パソコンにエディタを立ち上げて打ち込むのでも構いません。一番苦にならない方法にしてください。

なぜ書き出すのかというと、いったん頭の中を整理し、面接などで理路整然と話せるようにするためです。

頭の中だけで考えて放置すると、次から次に言葉が浮かび、まったくまとまりません。

「魅力に感じたところ」と、結び付く「会社の情報」を書き出して文章の骨にします。あとは骨に肉付けをしていくだけです。例えば、以下のようにざっくりとでもいいので書き出すようにしましょう。

会社の情報:化学プラントの工場。業績がよくて工場を拡大する。工場は1か所のみ。

魅力に感じたところ:計装の仕事の募集である。新規に設計できる。転勤がない。

志望動機(案):今回御社が募集されている計装の仕事は、私が今まで得意としてきた分野です。新規の設計は規模の小さいものしかやったことがありませんが、大きなプラント設計を経験することで、私自身が飛躍できるチャンスだと思い応募しました。また、転勤がないということですので、腰を落ち着けてじっくりと技術に向き合えると考えています。

いったん書き出しておくと、「面接で話すときに意外と言葉が出てくる」ものです。そのため、必ず一度は志望動機を書き出しておくようにしましょう。

ネガティブワードを言い換える

一通りの文章を書き出せたら、筆を置き全体を俯瞰してみましょう。

国語のテストではありませんので、少々言葉がおかしいところは問題ありません。それよりも大切なのは、相手にネガティブな印象を与える言葉を言い換えることです。

あなたが面接官だったとして、前の会社の不満ばかりを言い、自分で解決しようともしなかった人を採用したいと思うでしょうか。そこで、不満・文句などは別な言葉に言い換えます。

例えば、以下のように書き換えます。

  • 今の会社では成長が望めない → 新しい分野に挑戦しようと考えた
  • 家から近い → ふるさとで働きたいと考えた時に、地域に根差しすことを謳う企業風土にひかれた

文章の骨を作るまでの手順では、あまりネガティブな言葉はないとは思います。しかし肉付けの段階で、つい不満が書かれているかもしません。注意して全体を読み返してください。

 

可能なら誰かに読んでもらうといい

出来上がったら、ぜひ誰かに読んでもらってください。家族でも友人でも構いません。

これは自分では気づきにくい、言葉の印象、誤解を与える表現を事前にチェックするためです。自分で読んでも、1日前に書いたものは首をひねることがあります。面接官は他人ですから、ぜひ誰かに添削してもらってください。

私のおすすめは、転職サイトを通じて転職エージェントにお願いすることです。

転職エージェントはその道のプロフェッショナルですから、会社の情報も多く、これまでにあなたと似たような転職者を担当したこともあります。そのため的確なアドバイスを期待できますし、また標準のサービスとして志望動機添削をしている転職サイトもあります。

私の場合も、転職エージェントに志望動機を添削してもらいました。添削だけでなく、面接のときの話し方、会社側がどういったことを転職者に求めているかなど、たくさんの情報を提供してくれます。

まとめ

志望動機は書き方がわかれば怖くありません。順を追って丁寧に書けば、問題なく書けます。

一番大切なのは情報収集です。

会社に対して、自分は「こんなにあなたのことを大好きです」ということをアピールするのが志望動機です。そのためには、会社の情報をたくさん知っておく必要があります。

会社が周りに進んで公開している情報は、知っておいてほしいから公開しています。そうした情報を仕入れずにいる人は、会社に対して無関心だという印象を与えます。会社も、自分に関心のない人と一緒に働こうとは思いません

反対に、情報収集がしっかりしていていれば好印象です。言葉がつたなかったとしても、会社に対して興味関心があることをアピールできれば、十分にアピールできます。

入念な情報収集をして、会社が発信していることをつかめば、面接官に好印象を与えるいい志望動機が書けるでしょう。

技術者が転職するとき、多くの人が転職サイトを利用します。これは、それだけ良い条件で転職できるからです。

企業への履歴書・職務経歴書の送付やアポ取り、年収交渉など、面倒な仕事は全て転職エージェントが代行してくれます。これらを自分だけで行うのは現実的ではないですが、転職エージェントであればプロがしてくれます。

しかし、転職サイトは「対象地域」「対象年齢」「得意な分野(技術全般、製造業の技術・工場など)」で違いがあります。転職を成功させるには、これらの特徴を理解した上で進めなければいけません。

以下では、それぞれの転職サイトについて詳述しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。